最近、焼肉が頭から離れない。誰か、『宅建の試験に合格したら焼肉を食わせてやる』という停止条件付きの契約を締結してくれる人はいないものだろうか。
宅建の試験日まで、あと15日となりました。
今日の復習日記です。
債務不履行
債務不履行とは、債務を履行しないこと。契約違反。債権者から、損害賠償を請求されたり、契約を解除される対象となる。
損害賠償の種類
- 履行遅滞:履行が可能なのに、履行期に遅れること
- 履行不能:履行が不可能になること
履行遅滞
履行遅滞の要件
- 履行期に遅れたこと
- 債務者の責めに帰すべき事由により履行が遅れたこと
- 履行しないことが違法であること
履行遅滞の時期
期限等の種類 | 履行遅滞の時期 |
---|---|
確定期限付き債権 | 期限到来の時から |
不確定期限付き債権 | 債務者が期限到来を知った時から |
期限の定めがない債権 | 債権者が債務者に履行を請求した時から |
停止条件付き債権 | 債務者が条件成就を知った時から |
債務者の責めに帰すべき事由
債務者に故意または過失(責めに帰すべき事由)がないときは、履行遅滞は成立しない。
不履行が適法になる場合
同時履行の抗弁権に基づいて履行しなかった場合は、履行遅滞とはならない。
履行不能
履行不能の要件
- 履行が不可能になったこと
- 債務者の責めに帰すべき事由により履行が不可能になったこと
履行が不可能になったとは
建物の引渡し債務において、その建物が全焼した場合のように、物理的に履行が不可能になったものに限らず、二重譲渡なども該当する。
債務者の責めに帰すべき事由とは
債務者に、故意または過失がある場合。ただし、既に履行遅滞になっている場合に、不可抗力により履行が不能となった場合は、債務者の責めに帰すべき履行不能となる。
損害賠償
損害賠償の方法
履行遅滞または履行不能による債務不履行が成立し、損害が生じた場合、債権者は債務者に対して損害賠償を請求できる。
損害賠償は、原則として金銭で行う。なお、債務者にも過失があったため、損害が広がった場合は、その分賠償額が減額され、これを過失相殺と言う。
損害賠償額の予定
損害賠償額の予定とは、予め当事者間で損害賠償額を決めておくこと。
損害賠償額の予定の効果
損害賠償額の予定がされていると、その通りの額で賠償が行われ、裁判所もこれを増減できない。
金銭債務の特殊性
金銭債務において、債務者に故意または過失がなくても、債務不履行が成立する。
金銭債務の不履行による損害賠償額は、損害の証明をする必要がなく、法定利率(5%)によって請求できる。ただし、約定金利が法定利率を超えていいるときは、約定金利による。
契約の解除
契約の解除とは、一旦有効に成立した契約を、当事者のうち一方だけの意志によって、その効力を解消させること。
履行遅滞による解除
履行遅滞の場合、相当の期間を定めて履行の催告をし、その相当期間内に履行が行われなかった場合でないと、契約を解除できない。
定期行為
定期行為とは、決められた日に履行しなければ意味を持たない契約。
定期行為の場合は、履行期が過ぎれば、催告することなく直ちに契約を解除できる。
履行不能による解除
履行不能の場合は、催告をすることなく直ちに契約を解除できる。
解除権の行使の方法
解除権者の一方的意思表示によって行われ、解除される相手方の承諾は不要。
一旦行った解除は、後で撤回することは出来ない。
当事者が複数人いる場合
- 契約の当事者が複数人いる場合の解除は、その全員からまたはその全員に対してのみすることが出来る。
- 解除権者が複数人いる場合は、そのうち1人の解除権が消滅すると、他の者の解除権も消滅する
解除の効果
- 契約が解除されると、契約は最初からなかったことになり、当事者双方は、それぞれ受領していたものを返還する義務を負う(原状回復義務)
- 金銭を返還すべき場合は、その受領のときからの利息をつけなければならない。
第三者との関係
第三者が登記を得ているときは、悪意でも保護され、債権者は、解除の効果を第三者に主張できない。
解除権の消滅
- 解除権を有するものに対し、相手方は、相当の期間を定めて、解除をするか否かを催告でき、期間内に解除の通知ががないときは、解除権は消滅する
- 解除権者が、故意または過失によって、契約の目的物を損傷等して返還できなくした時は、解除権は消滅する
債権者代位権
債権者代位権とは、債権者が、自己の債権を保全するために、その債務者の有する権利を代わって行使する権利。
保全を図る債権とは、債権者が債務者に対して有する権利。
代位権行使と要件の弁済期
原則として、保全を図る債権の弁済期が到来していることが必要ではあるが、例外として、裁判上行う場合と保存行為を代位する場合は、弁済期未到来でもよい。
代位権の性質
その権利の行使がもっぱら権利者の意志にゆだねられるべき権利(一身専属権)は、代位権の目的とならない。
一身専属権とは、その行為が本人の意思に任され、本人のみが行使できる権利。
弁済
弁済とは、債務者が債権の内容どおりの給付を行って、債権者を満足させること。履行と言い換えてもかまわない。
弁済の流れ
- 弁済の準備
- 弁済すべきものを債権者に提供
- 債権者が受け取る
弁済の提供
- 弁済の提供をすれば、債務者は債務不履行責任を免れる
- 債権者が予め受領を拒み、または、債権の履行に付き債権者の行為が必要なときは、弁済準備をして、受領を催告すれば、債務不履行の責任を免れる
弁済の場所
特定物の引渡債務は、債権発生当時その物のあった場所で弁済し、それ以外の債務は、債権者の現在の住所に債務者が持参して弁済しなければならない。
弁済の費用
特約がない限り、弁済の費用は、債務者が負担する。
弁済の充当
合意がない場合は、以下の順で充当される。
- 費用
- 利息
- 元本
代物弁済
代物弁済とは、代わりの物で弁済すること。
代物弁済は、債権者の承諾が必要になる。
供託
債権者が行方不明の場合など、弁済のしようがないとき、弁済の目的物を供託所(法務局)に供託すると、
弁済したのと同じ効果を生じる。
債権の受領権限のない者への弁済
債権の受領権限のない者に弁済しても、原則として無効。
ただし、以下の場合は、弁済が有効となる。
- 債権の準占有者への弁済は、弁済者が善意無過失のときは有効
- 受取証書を持参してきた者への弁済は、弁済者が善意無過失のときは有効
受取証書とは、受け取りを証明する書類(領収書)のこと。
※債権証書と混同しないように注意。(債権証書とは、債権の存在を証明する書類)
第三者の弁済
第三者の弁済の可否
原則として、債務の弁済は第三者にもすることが出来る。ただし、以下の場合は弁済できない。
- 債務の性質がこれを許さない場合(芸能人の出演債務など)
- 当事者が反対の意思表示をした場合
債務者の意思に反する場合
利害関係のない第三者は、債務者の意思に反して弁済することは出来ない。
弁済による代位
求償とは、第三者が債務を弁済した場合、第三者が債務者に対して立替分をの支払を請求すること。
弁済による代位とは、弁済することによって、債権者の有していた地位をえること。
弁済について正当な利益を有する者が弁済したときは、債権者に代位できるが、正当な利益を有しない者の場合は、債権者の承諾を得る必要がある。
相殺
相殺とは、実際に金銭を動かすことを省略して、お互いの債権を帳消しにすること。
- 自働債権:相殺をする側から見て債権に当たるもの
- 受働債権:相殺をする側から見て債務に当たるもの
弁済期未到来の債権による相殺
自働債権の弁済期が到来すれば、受働債権の弁済期が到来していなくても、相殺できる。
時効消滅した自働債権による相殺
自働債権が時効消滅した後でも、それ以前に相殺適状にあれば、相殺できる。
相殺適状とは、お互いの債権が相殺可能な状態。
同時履行の抗弁権のついた自働債権による相殺
自働債権の請求に対して、相手側が同時履行の抗弁権を主張できる場合は、相殺できない。
受働債権が不法行為による場合の相殺
受働債権が不法行為によって生じたものである場合は、不法行為の加害者からは相殺できない。
受動債権の差押え後に取得した自働債権による相殺
受動債権の差押え後に、自働債権を取得しても、これによる相殺を差押債権者に対抗することは出来ない。
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